宅建の合格率は?わかりやすくほかの資格と比較してみた
[PR]この記事は広告コンテンツを含みます。
「今年こそ宅建に合格したい」
「宅建受けたいと思っているけど、難易度は高いの?」
「宅建合格しても何に使えるのかわからない」
など、宅建の合格を狙っている人や宅建の難易度や価値についてなど知りたい人もいることでしょう。当記事では、合格者に聞いた宅建合格の秘訣や難易度などについて解説します。
当記事を読むことで、宅建合格の近道や難易度について理解することができるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
1. 「宅建」ってどんな資格?
宅建とは宅地建物取引士の略称であり、平成27年に宅地建物取引主任者から名称変更された国家資格です。毎年10月の第三日曜日に全国一斉に実施する宅地建物取引士資格試験に合格することで取得できる国家資格であり、毎年20万人前後の人が受験しており高い人気を誇っています。
2. 「宅建」の難易度は?他の資格と比較してみた
先述したとおり、宅建は毎年20万人前後受験している人気の高い国家資格です。合格者は毎年3万人前後で推移しているため、合格率はおおむね15%前後・約300時間の勉強時間の確保と決して難易度は低くありません。
以下に過去10年の宅建受験者数・合格率・合格点などをまとめました。
年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
2013年度 | 234,586人 | 186,304人 | 28,470人 | 15.3% | 33点 |
2014年度 | 238,343人 | 192,029人 | 33,670人 | 17.5% | 32点 |
2015年度 | 248,343人 | 194,926人 | 30,028人 | 15.4% | 31点 |
2016年度 | 245,742人 | 198,463人 | 30,589人 | 15.4% | 35点 |
2017年度 | 258,511人 | 209,354人 | 32,644人 | 15.6% | 35点 |
2018年度 | 265,444人 | 213,993人 | 33,060人 | 15.6% | 37点 |
2019年度 | 276,019人 | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% | 35点 |
2020年度 (10月) | 204,163人 | 168,989人 | 29,728人 | 17.6% | 38点 |
2020年度 (12月) | 55,121人 | 35,261人 | 4,610人 | 13.1% | 36点 |
2021年度 (10月) | 256,704人 | 209,749人 | 37,539人 | 17.9% | 34点 |
2021年度 (12月) | 39,814人 | 24,965人 | 3,892人 | 15.6% | 34点 |
2022年度 | 283,856人 | 226,048人 | 38,525人 | 17.0% | 36点 |
上表のとおり、宅地建物取引士試験は合格点が一致しておらず、毎年変動しているのが大きな特徴です。
とはいえ、毎年3万人前後の合格者を出しているため、諦めずに勉強して臨めば決して合格できない資格試験ではありません。
- 他の国家資格の難易度
宅建の難易度が大まかに理解できたかと思いますが、では他の国家資格の難易度はどうでしょうか。同じ不動産系の国家資格と難易度(合格率)および勉強時間の目安を下表にまとめてみました。
資格名 | 難易度(合格率) | 勉強時間の目安 |
宅建 | 15%前後 | 300時間 |
不動産鑑定士 | 5% | 3,000時間 |
土地家屋調査士 | 9%前後 | 1,000~1,500時間 |
マンション管理士 | 8~10% | 500時間 |
管理業務主任者 | 20~23% | 300時間 |
賃貸不動産経営管理士 | 30%前後 | 100時間 |
以上となっており、同じ不動産業界の他の国家資格と比較した場合、宅建の難易度は決して低くはないでしょう。
3. ずばり「宅建」受験の合格の鍵は?
これまで解説してきた内容からわかる宅建受験の合格の鍵について解説します。
- 宅建の試験内容
宅建試験は、以下の分野に分かれております。
- 「権利関係」⇒ 14問
- 「宅建業法」⇒ 20問
- 「法令上の制限」⇒ 8問
- 「税・価格の評定」⇒ 3問
- 「その他」⇒ 5問
計50問ありますが、その他の5問は宅建業者の従業者で「登録講習受講者」は免除される項目です。そのため、登録講習受講者は実質45問となり本試験ではやや有利となります。
以下に各分野ごとの対策方法を見ていきましょう。
- 権利関係
権利関係には民法や借地借家法などが出題され、本試験の問題でも難易度が高いです。そのため14問中9問取れれば良しといってよいでしょう。
権利関係の内容は、主に以下のとおりです。
- 民法
- 不動産登記法
- 借地借家法
- 区分所有法
特に判例文が出てくる問題は何かと複雑で混乱することも多いため、どうしてもわからない場合はその問題を捨てる勇気も必要でしょう。
- 宅建業法
宅建本試験でもっとも多く出題される分野がこの宅建業法です。
宅建業法の内容は、以下のとおりです。
- 宅建業法全般
- 住宅瑕疵担保履行法
50問中20問が宅建業法であり、一番点数を稼ぐことができる分野であるため、宅建業法の出来が合否を左右するといっても過言ではありません。よって、20問全問、最低でも18問取るつもりで臨みましょう。
宅建業者に勤務している人であれば実務で身につく部分もありますが、まったく違う分野でお仕事をされている人はテキストや過去問集を購入しイチから覚えなければなりません。
くり返し言いますが、宅建業法の出来が合否を左右しますので試験勉強はこの宅建業法を特に重点的に勉強しましょう。
- 法令上の制限
法令上の制限は8問の出題とあまりウエイトは大きくありませんが、比較的点数を稼げる分野であるため宅建業法の次くらいにウエイトを置きます。
法令上の制限の内容は、以下のとおりです。
- 都市計画法
- 建築基準法
- 国土利用計画法
- 農地法
- 土地区画整理法
- 宅地造成等規制法など
法令上の制限も宅建業法と同じく、過去問をしっかりとやり込んでいれば自ずと理解できる分野です。8問全問、最低でも6問は取るようにがんばりましょう。
- 税・価格の評定
税・価格の評定は3問と宅建本試験中、もっとも出題数が少なくあまり重要視しないかもしれませんが、わずか1点の差で合否が分かれることもあるため気を抜いてはなりません。
税・価格の評定の内容は、以下のとおりです。
- 地方税・所得税・その他の国税
- 不動産鑑定評価基準・地価公示法
税・価格の評定は3問中2問取れればよいですが、最悪1問でも問題ないでしょう。
- その他
その他の分野は宅建本試験の46~50問目に5問出題されます。
その他の分野の内容は、以下のとおりです。
- 独立行政法人住宅金融支援機構法
- 不当景品類および不当表示防止法
- 統計・不動産の需要
- 土地
- 建物
以上5つの内容でそれぞれ1問ずつ出題されますが、宅建業者の従業者で「登録講習」を受講した場合、その他の5問は免除されます。
登録講習受講者以外の人はその他の分野も勉強の範囲となるため、宅建の試験勉強はその他の分野にも勉強時間を割いておかなければなりません。5問中3問は取るつもりで頑張りましょう。
- 宅建に合格するためには満点を狙わず38点狙いで臨もう
宅建本試験は38点狙いで臨みましょう。無論50点満点に越したことはありませんが、合格さえすれば50点満点も38点も同じ合格者に変わりありません。
ではなぜ38点狙いかというと、先述した過去10年の合格点でもっとも高かったのが38点だからです。宅建の難易度や合格率等で見ても今後合格点が38点を超えるということはまずないといってよいでしょう。
そのため38点狙いで臨み、本試験で38点取れれば宅建合格はまず手中におさめたといっても過言ではありません。
4. 「宅建」合格者に学習方法を聞いてみた
最後は宅建の本試験に見事合格した人のアンケート内容をいくつか紹介します。
- 年代別の合格者
20~24歳 | 2% |
25~29歳 | 14% |
30~34歳 | 15% |
35~39歳 | 25% |
40~44歳 | 12% |
45~49歳 | 16% |
50~54歳 | 7% |
55~59歳 | 5% |
60~64歳 | 3% |
65~69歳 | 1% |
となっており、このアンケートでは20代後半~40代後半の世代が多数を占めていますが、60歳以上の年配の世代でも合格者が出ていることがわかります。このことから、年齢に関係なくしっかりと勉強時間を設けみっちりと試験勉強に励めば合格することも決してできなくありません。
なお、過去には12歳の中学生や90歳の高齢者も宅建合格したこと(※)もあります。子どもやお年寄りでも合格実績のある宅地建物取引士なので、受験する人は絶対に合格するつもりで挑みましょう。
参考文献:令和 2 年度宅地建物取引士資格試験の結果 について
- 職業別の合格者
職業別での宅建合格者は、以下のとおりです。
会社員(一般職・総合職) | 54% |
会社経営者 | 8% |
フリーランス | 8% |
パート・アルバイト | 8% |
主婦 | 5% |
士業 | 4% |
契約社員 | 3% |
無職 | 3% |
年金世代 | 2% |
公務員 | 1% |
学生 | 1% |
医療関係者 | 1% |
その他 | 2% |
現役世代が多いため会社員が大多数を占めていますが、契約社員やパートアルバイトなどの非正規労働者も少数ながら存在します。宅建は就職や転職にも有利となることもあるため、宅建合格したという事実は大きな武器となることでしょう。
- 職種別の合格者
不動産業 | 22% |
サービス業 | 15% |
建設業 | 11% |
無職 | 9% |
フリーランス | 6% |
卸・小売業 | 6% |
金融・保険業 | 5% |
製造業 | 5% |
医療・福祉 | 4% |
情報処理 | 3% |
官公庁・公益団体 | 2% |
運輸・通信業 | 2% |
教育関係 | 1% |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 1% |
調査・広告業 | 1% |
その他 | 7% |
やはり職種別でみると不動産業が多数を占めており、宅地建物取引士を目指している人が多いことがわかります。他にもサービス業や建設業などの異業種でも宅建本試験に挑み見事合格を勝ち取った人も多数出ており、不動産業界以外の人でもしっかりと試験勉強を重ねていれば合格できるということがこのアンケートで理解できるでしょう。
4. まとめ
ここまで、宅建の難易度などについて解説してきました。
宅建の本試験は毎年10月の第三日曜日に全国一斉に実施されている国家試験であり、毎年20万人前後受験している人気の高い国家資格です。合格率は15%前後と難易度やや高めですが、それでも毎年3万人前後の合格者を出しています。
宅建合格のための勉強時間は300時間とされており、テキストや過去問集をとにかくやり込むことが合格への近道です。また、権利関係・宅建業法・法令上の制限・税その他の分野に分かれており、それぞれの対応も重要となってきます。
近年の合格点はだいたい31~38点と毎年変動していますので、38点狙いで本試験に臨みましょう。とにかく過去問集をみっちりとこなしていれば合格へのハードルはそれほど高いものではありません。
今年の宅建本試験を受験される皆さんが1人でも多く合格することを祈っています。